2006年04月02日

夏目家の糠みそ

夏目家の糠みそ
半藤末利子/著
PHP研究所
2003/06
文庫判
ISBN: 4569579604


 夏目漱石の孫、半藤末利子による随筆集。
 タイトル通り、祖父の夏目漱石がらみのことがらを孫の視点から語ったエッセイであるが、この人は、ごく普通の主婦であって、漱石以外に取り上げられるテーマはごく普通。食べ物のこと、近所づきあいや夫との生活、若い頃の回想などが綴ってある。その感覚もごく普通なのだが、血のなせる生まれ持ったものなのか、夫(半藤一利)が小説家というのが関係しているのか、何となくセンスを感じる。何気ない中に、どこか読ませるものがある。

 私はこうした、女性による日常を綴ったエッセイというのは読むと退屈してしまうほうなんだけど、彼女のエッセイは楽しく読めた。
 特にすごい文章のうまさとか、斬新な切り口とかはないんだけど。続きを読む
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2006年03月31日

火星の人類学者

火星の人類学者 脳神経科医と7人の奇妙な患者
オリヴァー・サックス/著
吉田利子/訳
早川書房
2001/04
文庫判
ISBN: 415050251X


 脳神経科医として有名なサックス博士が、彼が診てきた7人の印象的な患者たちの症状を書き記したエッセイ。
 彼ら7人は、かなり重度の脳神経障害の持ち主である。いわゆる「普通の人」とは違う奇妙なふるまいをし、社会的生活に困難を抱えている人物もいる。
 サックス博士は彼らの奇抜な修正や行動、傷ついた脳が及ぼす不思議な現象を淡々と書き綴る。
 だが本書は、そうした脳障害の人々のありさまを綴った凡百の書物とは一線を画している。
 それは、サックス博士が「人間は、どんな環境にも適応し、自分らしい生き方を見出すことができる」というテーマを、すべてのエッセイの中で貫いているからである。

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2006年03月29日

武家の女性

3316210.gif武家の女性
山川 菊栄/著
岩波書店
文庫判 
630円
発売日:1983年4月16日
ISBN4-00-331621-5


 岩波文庫で「武家の女性」なんて素気ないタイトルなので、なにやら堅苦しい研究論文のように思えるが、それとは逆でかろやかな読み物である。
 これは著者が、幕末の水戸藩の武士の家に生まれた母の昔語りを聞き書きしたものだ。怒涛の変化に巻き込まれた水戸藩の変遷の中で、当時の武家社会の実際の生活が綴られていく。
 これは貴重な当時の記録であるとともに、何やらノスタルジーも感じさせる楽しいエッセイ風の読み物でもある。読み始めるとその柔らかな語り口、のどかな楽しさを感じさせる描写に引き込まれ、一気に読んでしまう。私は歴史が苦手なのだが、それとは関係なく十分に楽しめる本だった。続きを読む
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