2006年04月01日

一言で言って、キモイ映画。「サイン」

サイン
2001年米
監督: M.ナイト・シャマラン
出演: メル・ギブソン, ホアキン・フェニックス, その他




 トンデモ監督の名をほしいままにするシャマラン監督のトンデモ映画。
 
 見渡す限りのとうもろこし畑が広がるアメリカの田舎町で展開する、一人の男の家族愛と喪失、信仰の物語。
 シャマラン一流の繊細な演出(鼻につく人もいるかもしれないが、私は見事な職人芸だと思う)で、カットバックを挟みながら静かに進んでいく物語には感動を覚えずにはいられない。
 主人公グラハム(メル・ギブソン)は、妻を亡くし、絶望のあまり神の存在を信じられなくなり、聖職を投げ捨てたもと神父。信仰を失った彼が、残された家族と寄り添い、心に光を取り戻すまでのストーリー…と言えば、感動的だが。

 だがそこに、不協和音のように、グレイタイプの宇宙人が登場するのである。宇宙人が登場する前までの展開からのあまりの飛躍っぷりに、つい宇宙人とは何かの象徴だろうか、とか考え込んでしまう。
 だけど、それははっきりとした明らかなB級ムービー的宇宙人、それ以上でもそれ以下でもないものなのだった。

 宇宙人は問答無用でうようよ姿を現し、人間に襲いかかる(食料にするためとかテキトーな理由で)。彼らの家にもやってくる。そして、最後は神の奇蹟で宇宙人が(これまたテキトーに)撃退されるのだ。もう観ていて笑っていいのか泣いていいのか、怒っていいのかわかんない。というかシャマラン自体もわかってんのか?彼はこれを笑いながら撮ったのか?それとも泣きながらか?謎だ。

 苦悩する主人公に覚えていた感情移入は宇宙人の闖入と共に行き場がなくなり、あとは訳のわからないことになるばかりだ。それなのに、シャマランがなまじっか観せる技術を持っているために、つい引き込まれて観続けてしまう。だけど、主人公が信仰を取り戻すという結末にも、全然カタルシスを味あわせてもらえないし。観終わった後の気持ちは、なんとも言えない。どうしても一言で言うなら、「キモイ」。そんな感想しか出てこないくらい混乱する。

 シャマラン、普通の脚本で普通のテーマを扱ってれば普通の巨匠になれたかもしれないのに。でもだからこそ、この踏み外しっぷりはむしろ愉快だ。優等生もいいけど、こういう人もいいじゃないか!これからも信じたままを突き進んでほしい。私は応援しています。
 …でも、この先シャマランが行く場所なんてあるんだろか?
posted by adayabook at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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