2006年03月31日

火星の人類学者

火星の人類学者 脳神経科医と7人の奇妙な患者
オリヴァー・サックス/著
吉田利子/訳
早川書房
2001/04
文庫判
ISBN: 415050251X


 脳神経科医として有名なサックス博士が、彼が診てきた7人の印象的な患者たちの症状を書き記したエッセイ。
 彼ら7人は、かなり重度の脳神経障害の持ち主である。いわゆる「普通の人」とは違う奇妙なふるまいをし、社会的生活に困難を抱えている人物もいる。
 サックス博士は彼らの奇抜な修正や行動、傷ついた脳が及ぼす不思議な現象を淡々と書き綴る。
 だが本書は、そうした脳障害の人々のありさまを綴った凡百の書物とは一線を画している。
 それは、サックス博士が「人間は、どんな環境にも適応し、自分らしい生き方を見出すことができる」というテーマを、すべてのエッセイの中で貫いているからである。

続きを読む
posted by adayabook at 00:45| Comment(0) | TrackBack(1) | ノンフィクション・歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月30日

Spider-man/ Human Torch: I'm With Stupid

Spider-man /Human Torch: I'm With Stupid
Story: Dan Slott
Art: Ty Templeton
2005/06/15
Marvel Enterprises
ISBN: 0785117237


 アメコミのキャラ付けでは、しばしばそういうことがあるが、スパイダーマンとヒューマントーチは、光と影のように完全に対をなすように設定されている。
 同年代の、ニューヨークで活動する2人のスーパーヒーロー。
 ひとりは内省的で頭のいいピーター。注意深く正体を隠しているスパイダーマンだ。
 そしてもうひとりは外交的でおつむの軽いジョニー。マスコミ大好きで、常に注目されたがっているヒューマントーチ。
 この2人はどこまでもかみあわないが、それでも気の合う親友同士。こういう一見ちぐはぐな友情が存在するのは、何もフィクションの中だけではない。だからこそ、2人が出会って以来のこの友情が、読者に長い間人気だったのだろう。
 このコミックは、およそ40年に渡って描かれてきた2人の交友の歴史をダイジェスト的にまとめたものだ。
 
続きを読む
posted by adayabook at 02:30| Comment(14) | TrackBack(0) | アメコミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月29日

武家の女性

3316210.gif武家の女性
山川 菊栄/著
岩波書店
文庫判 
630円
発売日:1983年4月16日
ISBN4-00-331621-5


 岩波文庫で「武家の女性」なんて素気ないタイトルなので、なにやら堅苦しい研究論文のように思えるが、それとは逆でかろやかな読み物である。
 これは著者が、幕末の水戸藩の武士の家に生まれた母の昔語りを聞き書きしたものだ。怒涛の変化に巻き込まれた水戸藩の変遷の中で、当時の武家社会の実際の生活が綴られていく。
 これは貴重な当時の記録であるとともに、何やらノスタルジーも感じさせる楽しいエッセイ風の読み物でもある。読み始めるとその柔らかな語り口、のどかな楽しさを感じさせる描写に引き込まれ、一気に読んでしまう。私は歴史が苦手なのだが、それとは関係なく十分に楽しめる本だった。続きを読む
posted by adayabook at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション・歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。